Kindle Unlimitedには様々な漫画がありますが、全巻読める漫画は貴重です。読んでいると完結までKindle Unlimited対応ではないことが多くがっかりすることが多いのではないでしょうか。しかし!今回紹介する漫画は全巻読めます。
以下にご紹介する漫画はその界隈では有名な漫画ばかり!ただ、一般には知られていないかも?今回はそんな隠れた名作漫画をご紹介していきます。※今回紹介するのは結構、大人男性向けの漫画が多いです!
キーチ
聞こえるか。誰もヤラねぇから俺がやる。見えてるか、
キーチ
ここだ!生きてるぞ!!俺はっ今ここだっ!!
この漫画の良さはは20代後半にならないと良さはわかりませんでした。最近読んだ中では断トツで面白かったです。主人公は3歳の少年キーチ、周囲の大人、子どもたちに恐れられる超ド級の問題児です。友達の歯は折るし、一人で海までいってしまう。もちろんその問題行動にはキーチなり哲学があります。(キーチの内面描写、気持ちの描写はないのでキーチの言動、行動からくる読み手の勝手な想像です)。 漫画においては、主人公の内面の気持ちを描いてくれる漫画と描かない漫画がありますが、この漫画は現実の子どものように行動から気持ちを読み取るしかありません。
1巻の評価はAmazonの評価で☆3です。キーチという漫画全体から見ると、起承転結の起の部分です。読み返すと、3歳のキーチが周りに迷惑かけている描写ばかりなのでこの評価はうなづけます。このあとの展開、面白さがわかってなかったら、読むのをやめてしまうでしょう。わたしも20代の前半でキーチの1巻前半まで読んだことあったんですが、途中で読み進めるの断念しました。キーチってヤベー奴という印象しかありません。
しかし、読み進めるにしたがって、その評価はAmazon評価のようにゆっくりと変わってくるでしょう。全9巻ありますが、その後の評価は☆4~5が並びます。9巻にいたってはド級の★5。2巻以降はページをめくる手が止まらず、7巻からはそのスピードも増していきます。こんなに熱くなれる漫画は「宮本からきみへ」以来だなぁと思って作者の方を確認したら同じ方でした。
キーチは様々な出来事を通して成長していきます。その成長に関わるのは大人でも耐えられないような問題ばかり。そしてキーチに関わる大人も問題ばかり。漫画のタッチが独特です。作者の新井英樹さんに「人間」をかかせたら右にでる人はいないんじゃあないか。どうやったらここまで血の通ったキャラクターたちを描けるのでしょう。世間にある汚いものを真向から否定する。がんじがらめの世の中で、それでもキイチは拳をあげる。不安が支配する今だからすべての人に読んでほしい名作です。
続編である大人になった「キーチVS」も面白いんですけど、個人的には無印キーチがダントツで好きです。大人編もKindle unlimitedで全巻読めますので、無印キーチにはまったら読んでも良いかもしれません。
モリのアサガオ
少年漫画やラノベの能力者バトルで可愛いヒロインを助けて、みたいな漫画も好きなんですけど、こういう大人向け漫画も大好きです。この漫画もおそらく10代のわたしが見ても、なんだこれみたいな感じで、途中で読むのリタイアしていたと思います。というのもテーマがかなり大人向けなんです。死刑という制度の在り方、そこで従事する人たちの心の葛藤、人間の弱さ、苦悩、罪とは何か。普段考えたことのないテーマが満載です。
主人公はなにわ拘置所の死刑囚舎房に配属された新人刑務官。そこでの死刑囚たちとの関わり中で、死刑制度の在り方に苦悩します。本気で罪を悔やんでいる死刑囚もいれば、全く反省をしていない死刑囚もいる。中には冤罪で死刑囚になってしまった人さえいます。そうした一連の死刑囚との関わりを通して主人公は精神的に成長していきます。
この漫画は派手さはないですが、人間の心を繊細に描きこんでおり、読んでいると、ゆっくりとその世界観に惹きこまれていく作品です。また、扱っているテーマが考えさせられるものも多く。自分だったらどうするだろうかといった、自分の内面とも向き合える漫画になっています。
この漫画は特に絵のタッチが独特です。好みがわかれそうですが、読んでいるうちに慣れてくると思います。この本の作者の郷田マモラさんは他にも裁判員制度、臨床心理士、解剖医をテーマにした漫画かかれており、そちらもKindle unlimitedで読めるのでおすすめです。モリノアサガオ読んでハマったらぜひそちらも一読してみてください。
FLIP-FLAP
とよ田みのるさんという漫画家さんをみなさんご存じせしょうか。あの「金剛地さんはめんどくさい」を書いた作者さんです。この方の作品の魅力はキャラクターたちの表情が豊かでかわいいのです。
この漫画を一言でいうならば、「無駄なことにかける、青春!」です。人生における無駄をはぶけ、人生とはかくも短く!無駄なことに費やす時間はないのだと、過去の哲学者や偉人たちは言うでしょう。しかしそんな哲学者や偉人たちに言ってやりたい。無駄もつきつめれば人生なのだ。無駄にこそ人生をかける価値があるのだ。そんな熱い衝動が湧き上がってくる漫画です。わたしも人から見れば一見無駄なことに人生を費やしたことがありました。あの時こうしていればと思うときも確かにあります。しかし、当時の自分にとってはそれがすべてでした。
人はいうでしょう。無駄なものに人生をかけて何になるのか。もっと人生を豊かにする読書や勉強をした方があなたの人生はきっと良くなる。しかしそんな人達に言ってやりたいのです。人生の中でこの漫画の主人公のように何かに強く熱中したことがあるのか!、腕が折れるまで、何かにのめりこんだことは?突き詰めれば、人間100年後にはみんないないのです。ピンボールずっとやってる人生も、偉業を成した人生も、そこに大した差はないんじゃあないでしょうか。
この物語の主人公は怠惰な、ゲーム三昧、モラトリウムにふける大学生ではけっしてありません。ピンボールにかける男女を描く、生きた群像劇。長くなってしまったので続きは漫画にてお楽しみください。この漫画はなんと全1巻!何?騙された?全1巻なら、全巻読める!
友達100人できるかな
こちらも先ほど紹介したとよ田みのるさんの作品で、全5巻となっており、完結まで読むことができます。主人公は37歳の小学校教師です。そろそろ子どもの生まれる妻のもとへ行くと、妻と一緒にそこにはボーリングのピンのような得体のしれない生物が、特に気にすることなく妻と会話を交わします。その後妻が寝静まったタイミングで声をかけます。で、君は一体誰なんだ。そうです。わたしが宇宙人です。人類滅亡を防ぐカギは宇宙人に対し、「愛」をしめすこと。それは並行世界の自分の小学校時代に戻り、卒業までに友達100人作ることです。
かなりぶっとんだ設定ですが、漫画はこのくらいぶっとんだ設定の方が面白いです。精神が大人で教師であることから小学生目線で周りと接するのが難しく、友達を作るのに苦労しますが、お目付け役のサポート及び、宇宙人の謎技術の結晶。相手の親愛度を示す、まるでギャルゲーのような機能が使える腕時計によって少しずつ友達をつくっていく主人公。しかし、だんだんと元が教師の性なのか、簡単に友達になれるような人は選ばずに、一番友達になれそうにない一癖も、二癖もあるクラスメイトを選んだりするので、サポート役も見てるこっちもはらはらします。しかし苦労を重ねることで、主人公自身もそして主人公と友達になったクラスメイト達にも、精神的、心の成長が垣間見えます。
今回の作品のテーマは「愛」と「友情」です。読んでいて全く不快感のない気持ちのいい一冊です。また、5巻完結の短い作品ですが、思い出すだけでも、心が温かくなるエピソードばかり。昭和の深い愛情と、厳しさを兼ね備えた鬼教師の気持ち。他の並行世界から来た元大人との銭湯物語。自分を男にしてくれたおじさんに対する恩返し。ちょっと尖った女王様気質の女の子の秘めた思い。商売にがめつい駄菓子屋のおばあさん。子どもがもつ生き物に対する残酷さとピュアな愛。
読んでいると自分が小学生だった時を思いだします。今思うと、すごく狭い世界でしたが、子供にとってはその世界がすべてでしたね。自分だったらあの時代にもどったらどうするだろう。あの子は元気だろうか。自分の子ども時代に思いがかえります。
昭和の中坊
Amazonの1巻の評価は☆3です。これは、1話目から、人を選ぶ怒涛の下ネタ満載のエピソードだからでしょう。しかし、大人編まで読み切った全7巻の評価はきっと☆5になるはずです。男子諸君には共感するエピソードばかりなのではないでしょうか。
昭和を経験していた人には懐かしい?昭和を経験していない私たちには少々古臭く感じる?いやいやきっとこれから、令和を生きる中学生もこの漫画の主人公たちと似たような中学生活を送るのではないかなぁ。
主人公は性に目覚めた中学生。どうして男子中学生あんなにむっつりなのか。いやいや真面目に勉強していたような気もしますが、この漫画読んでいると確かに悶々とした日々を過ごしていたような気がしてきます。悪い意味で青春時代を思い出させてくれる作品です。ただ、この漫画が下ネタだけかというとけしてそんなことはない。90%は下ネタエピソードですが、読み進めていくと感動エピソードも隠れています。友情や親子の愛がところどころで感じられ、ゲスイ下ネタに油断していると、時々ホロっときます。
全編下ネタ満載です。下ネタが苦手な方はご注意を!下ネタ苦手な方は4巻くらいから読んでも良いかもしれません。ぜひ大人編まで突き進んでください。
今回もここまで読んでいただきありがとうございました。